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シングルorダブル

令和5年秋号のシングルorダブル

No.210暑い夏も終わって

 コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻後、世界経済全体は混乱と停滞を経験しましたが、大分落ち着きを取り戻し、各国通貨状況で見るとドル高の米国一人勝ちの様相に思えます。人口構成的にもG7では65歳以上の比率が最も少ない国でもあり、中国は不動産関連のバブル崩壊の対応に迫られ、米国は当面の世界の成長エンジンとしての役割を期待されています。来年11月5日が投票日の米国大統領選挙が組み込まれており、経験上大統領選の年は設備投資が控えめになりがちです。世界経済の側面からは両国が重要なポイントになりそうで今後の動静を注意深く見ていかねばなりません。リスクが薄れていけば再び世界的に設備投資が活性化していくのではと期待しています。
 9月に入っても猛暑日が続き、今年の暑さを見るにつけもう日本は北海道でさえ亜熱帯気候ではないかと思ってしまいます。福井県は降雪地帯ですので年によって積雪量の差こそあれ冬になれば雪は降りますが、地球温暖化の影響から春と秋がどんどん短くなっている気がします。脱炭素が叫ばれて久しいですが、資源輸入国の日本は昔から資源高・インフレ・省エネがセットで周期的にやって来てその都度対応してきました。しかし今度は世界中の産業界がこの波に同時に晒されており、自動車や半導体を中心に10年先を見越した対応が世界規模で行われています。ここに工作機械メーカーである我々にとっての商機があり、世界市場で何が進んでいるのかを素早く察知して行動していこうと思う次第です。
 EMO2023では来年の動向を見極めようとする代理店やお客様の意見に耳を傾けました。将来に対する不透明感が強い環境ではあるが、欧米市場の自動化設備投資に対する潜在需要は強く、今後も積極的にお客様の問題解決のお役立ちになれれば、自ずと道は開けるものと感触を得ました。
 さて、マツウラはこれまで製品組立を本社と武生工場の二拠点で行ってきましたが、2025年から武生工場に組立業務を集約することにしました。これにより、製品組立の効率化、製品品質の更なる向上をより効果的に進めることが出来るようになります。次世代のマツウラを支える生産インフラを整えつつ、お客様から選ばれる製品を今後とも提供していけるよう精進して参ります。

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