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シングルorダブル
このコラムは、会長松浦正則(創刊当時は副社長)が始め、No.145号からは現在は社長松浦勝俊が引き継いで、日頃思っていることを、率直に、そして大胆に書き綴ったものです。
辛口な社長コラムをぜひご覧ください。
令和6年夏号のシングルorダブル
No.213自然災害の救済策に思うこと
今年元旦に発生した能登半島地震からはや半年が経ちました。当時福井市内の自宅に家族で集まって正月料理の準備を始めていたところ、テレビに突如能登半島に大きな地震発生の警告画面が映ったかと思ったら、直ぐに大きな揺れが始まり一分近くあったのではないでしょうか、今までの地震の経験上、この震源地は多大な被害が出たと直感しました。実被害は、皆さんもご存知の通り、遥かに想像を超えたものでした。被災地が能登半島の先で交通の便も悪くインフラの復旧の進捗もはかばかしくなく、倒壊した建物や焼け残った外壁が至る所にあってその爪痕は大きく、未だ多くの被災者が避難生活を余儀なくされております。仮設住宅の建設等、政府や自治体も色々復興支援策を検討・実施中ではありますが、被災者の方々が必要とする直接的な支援に対しては、何か物足りなさを感じてしまいます。
先日、会社関係の知り合いの集まりで、私が北陸から参加していたこともあり、能登半島地震の話題になりました。被災された方々は高齢者が多く、生まれ育った地元で懸命に働いて生活基盤をしっかり築いていたその方々が、ある日突然大地震で全てを失い、今後の見通しがつかず途方に暮れている状況にあるわけです。お歳からして自力で再度家を建てて生活をしていくことは、実現不可能に近いことでしょう。こういう被災された方々には、期限のある仮設住宅の提供ではなく、政策で住宅を建てて無償提供し、収入に合わせた永年賃貸貸与を実施するなどもっと柔軟で直接的な支援をすべきではないかとの意見が出てきて、私ももっともだと思いました。
一方で、新型コロナウイルス感染症の影響で落ち込んだ景気・経済刺激策として実施されたGoToトラベルには、約40兆円ものお金が投入されたと聞きました。確かにこれはこれで観光業や飲食業の方々には有り難いものだったとは思いますが、旅行したい人達にまでこのような規模の援助を行うことは果たして正しいのか、この内の幾分かでも自然災害の被災者の方々に使用する政策の方が、収めた税金の使い道としては、より正しいと思うのではないでしょうか。
最近では、地球温暖化の影響か、台風や集中豪雨など自然災害が多発しています。何か真に実のある救済策を考えてほしいものです。