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シングルorダブル

2020年秋号のシングルorダブル

No.198将棋、流行ってます

 高校生棋士・藤井聡太2冠の影響もあって、最近の将棋の露出度はとても高いです。今年行われた棋聖戦、王位戦の報道のされ方も近年のタイトル戦には無い盛り上がりでした。愛知に凄い子がいるらしいと話題になったのは、藤井2冠が小学校6年生の時に詰将棋解答選手権で優勝してからで、それから同選手権5連覇中です(今年はコロナ禍で中止)。インタビューを観ていると伏目がちで内向的に見えますが、指し手の大胆さと勝負強さ、努力を惜しまない姿勢も含めて天賦の才を感じます。

 さて、皆さんご承知の通り、将棋の駒には各々独自の動き方があり、これらがいい塩梅で機能していて将棋の面白さを構築しています。金、銀、桂馬、香車、勿論忘れてはいけない歩(最弱とは言え「歩のない将棋は負け将棋」ですからね)、最後に大駒の飛車角。盤上の動き方が異なるが故に会社の戦力や人間模様に例えると中々面白いものです。

 攻める際、斜に器用に振舞う「銀」は、実は真後ろに素直に後退できない。ここぞという時にその手堅さが頼りになる「金」は、斜め後ろにステップを踏む器用さがない。遥か遠くまで斜めには睨みを効かせるのに目の前の歩をどうにか出来ない「角」。一点直進突破には自信があるが頑固過ぎて変化を付けられない「香車」。こんな愛すべき社員の人達が、皆さんのところにも居られますよね。

 盤上の個性を総動員して相手の王将を目指すのは、どことなく経営に通じるものがあります。各々の駒の特性を最大限発揮しあって、臨機応変かつ攻守一体が実践出来れば、それはつまり強い会社ということでしょうね。また、チェスとは違い相手から奪った手駒は、盤上のいかなる場所へもいきなり打ち込めます。盤上の形勢を保ちつつ、手駒を整え絶好のタイミングでリソースを投入し、成果を上げれば最高に気持ちいいものです。

 ここ暫くマクロ的には低調な状況が続くと思われますが、何とか盤上で読み間違えしないよう気を付けなければと思う日々です。

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