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シングルorダブル

1998年3月号号のシングルorダブル

No.94好機到来

 最近の日本は何か自信を無くし、ダッチロール状態に入った感じがしています。
それは、昨年夏からの個人消費の低迷が見られ、ますます先行き不透明感が出ており、 一段とデフレ傾向を強めている様に思うからです。

 その中で輸出を主としている製造業は好調に推移しており、その上円安も追い風になり、 着実に業績を伸ばし、「物作り日本」の元気印となっています。
我が業界も、我が国の自動車産業とエレクトロニクス産業が徹底した「質の向上」と「自動化」を 要求、それにたゆまず対応してきた事が、品質・性能でも世界のトップレベルの評価を 得ることが出来ました。
さらに海外市場を積極的に開拓し、市場のグローバル化を武器に安定度を一段と高めました。

 しかし最近のグローバリズム想像以上のスピードで進んでいます。
我が国の製造業も今迄のようなやり方では時を経ずして、他国の製造業から キャッチアップされるのは時間の問題と思われます。
高コスト体質のままでは、生き残ることは出来ないでしょう。
幸いに、世界中が地球単一市場に生き残るべく、大競争が始まっており、 過去の技術やシステムに決別し、変化とスピードへの対応を進めており、その意味では我が国にも、 チャンスが多いにあります。

 その上、昨年末、京都で開催された環境に関する国際会議は、環境が如何に大切かを、 日本人に自然に意識を定着させました。
この認識こそ21世紀の技術にとって追い風となり、世界市場の中で逸早く環境対応商品を開発し、 育ててくれる事になりましょう。
そしてこれらの企業努力は、必ずや未来技術を成長させる原動力になると思います。
この事は我が国よりも、昨年末訪問した台湾の製造業の方々が、次世代も日本をモデルにして 進む積もりですから頑張って下さいと言われた事でも頷けます。

 今や「省資源」「環境」そして「安全」というキーワードをベースに、 過去の技術やシステムとは異なり、新しい方向で如何なる困難も乗り越え、 これらに対応した技術開発をめざし、地球規模での貢献を目指し実現しなければならないと思います。
今こそ私達が新しい認識で頑張る、絶好の機会到来。
志を高く勇気をもって、たゆまず努力を前進する事が私達の使命と思います。

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