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OVERRIDE1000%
(松浦取締役コラム)
令和5年春号のOVERRIDE1000%
令和5年春号
「最近の若者はうんたらかんたら…」と、いつの時代でも言われるとは言います。私が読んだ書籍によると大きな社会変化の最中に我々はいるのだとか。さて、現代の世代間の考えの違いは何に起因するでしょうか。
自分の仕事が世に足りていない何かを生み出すことに直接貢献できていた一昔前の世代。技術の進歩が目まぐるしく、自分の仕事が社会に変化を起こしている実感が目に見える形でありました。他の何かを犠牲にしてでも、仕事に没頭し達成し望むものを手に入れることこそが喜びだったと言います。
今の世代は生まれたころから周りにはすべてが揃っていて、欲望を持てないような世代です。ないものを勝ち得るために何かを我慢するという心理は理解できません。そして、すでに満ち足りている大きな世界はとても自分では変えようがないので、「仕事」「家族」「趣味」「SNS」等の身近な枠の中で自己実現の可能性を見出します。金銭や物理的な報酬よりも小さく多くの“自分の好き”を追求し、その全てのバランスがモチベーションにつながるというわけです。
今後どのような会社がこれからの世代には望まれているでしょうか。第一に、彼らの属するコミュニティの1つとして優れた価値観を個人に提供する集団でないといけません。しかし、いくら会社がいい価値観を与えていたとしても、仕事が他の価値観を享受できる機会を奪ってしまったらご法度です。だからこそ、ワークライフバランスが今重要なのでしょう。「仕事のやりがいは大事だけど、それだけじゃないんだ」この背景にあるのは複数の価値観で自分をトータルコーディネートしたい新しい世代の考えなのかもしれません。