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こんなユーザー
2010年1月号のこんなユーザー
No.122
ダイカスト部品加工で長年の技術力を持つ
鷲見工業有限会社 様
今回のこんなユーザーは、東海北陸自動車道の岐阜各務原インターから南へ車で5分ほどにある鷲見工業有限会社を取材しました。
取材には、社長の鷲見真市氏と取締役の鷲見英樹氏に対応頂きました。同社は、鷲見社長が20歳の時に創業され、今年で43年目になります。
創業当時からダイカストの加工を専門に行っており、現在マシニングセンタ10台、NC旋盤4台を4人で稼働させています。
ガス機器の部品がメインで、その他ロボット、フォークリフトのモーターカバなどがありますが、自動車部品は少量です。
工場内には多数のNC機械と仕事先との通い箱が所狭しと置かれ、活気に溢れています。
後継の育成
鷲見取締役は、鷲見社長の長男で現在34歳です。
工業高校機械科を卒業後1年間マツウラで研修を受けていましいたが、鷲見社長が病に倒れ急遽同社へ戻って入社されました。
「子供のころ社長と母と3人でトラックに乗って納品に行きました。社長が納品している間、母と二人でスーパーに買い物に行った記憶があります。また一箱70円で製品の箱詰めのアルバイトもしました。そして中学の時に社長から“継ぐ気はあるのか”と聞かれ、“継ぐ”と答えると、“それじゃ設備を増やす”と言って機械を増設したのを覚えています」と当時を語る鷲見取締役です。
鷲見社長は「現在63歳で、65歳で引退すると決めている。後2年で社長交代」と2年後には鷲見取締役が新社長となる予定とのことです。
ダイカスト加工の難しさ
「ダイカストの加工は何年やっても難しい。加工した後で歪みが出たり、同じ部品でもロットにより材質が硬くなったりするので、日々試行錯誤です。年々ダイカスト部品は形状が複雑になり、部品を確実に押さえる技術力が必要です。時には加工で、押さえ方や材質の影響でビビリがでる場合があり、ビビリを止めるために手で押さえたりすることもあります。また仕事先からはジャストインタイムでの納品を要請されています。金曜日に加工数量が決定、翌週の月曜日にダイカストが入荷され、水曜日には製品を納品する仕事もあります。時には火曜日の朝にダイカストが入荷され、徹夜で加工したこともありました。その他にも打ち出したばかりでまだ熱いダイカスト、また北風にさらされ反っているダイカストなど、素材に振り回されました」と苦心を語る鷲見社長です。
マツウラとの出会い
昭和62年に立形マシニングセンタ「MC-510V」を導入。
「当時は、NCボール盤で加工しておりタッピングセンタの導入を決めていました。その時ある商社の担当者から連絡があり、是非マツウラへマシニングセンタを見に行こうと言われ、仕事が終わった5時半から車で走りました。マツウラでは、担当者が操作パネルで素早くプログラムを設定し加工しているのを見て自社との違いに驚き、また機械の下を覗いたところリブがしっかり入っているのに感心しました。マツウラから戻ってきたのは夜中の2時でしたがマツウラのマシニングセンタの導入を決めました。しかし、実際に機械を導入して講習を受ける段になり仕事が忙しくて、講習の時間が取れませんでした。仕事が終わった5時半から講習をしてもらい、マツウラの担当者の方には本当にお世話になりました」と当時を語る鷲見社長。
それ以後、立形マシニングセンタ「MC-760V」、「MC-600V」が各2台、「MC-550V」が各2台。そして横形マシニングセンタ「MAM-600HF」、平成19年に最新機種「H.Plus-405」を設備され、合計8台のマツウラのマシニングセンタが稼働しています。
進化するダイカスト部品
「今までには無かったことですが、加工精度では問題なくても、加工面の品質にクレームがでる場合がありました。ロボットで自動組立ラインに使用する部品なので、センサーが誤認式しないように光沢を一定にして欲しいとの要求でした」と鷲見取締役。
その他にも今まで経験したことのない難しい要求がありますが、ダイカストなら必ず加工してみせるとの思いで、日々挑戦されています。
同社には、私も 20 年ほど前に講習担当で訪問したことがあり、忙しい中で講習を受けて頂いた思い出があり、鷲見社長とは懐かしい再会でした。またロボットでの自動組立を考慮した部品加工の話では、部品に求める品質の変化に驚きました。
会社情報
- 会社名
- 鷲見工業有限会社 様
- 所在地
- 〒501-6003 岐阜県羽島郡岐南町平島1-11
- TEL
- 058-246-7023
- FAX
- 058-246-8639
- 代表者
- 代表取締役 鷲見 真市 氏
- 創 業
- 昭和41年
- 設 立
- 昭和57年
- 従業員
- 6名
- 事業内容
- ダイカスト部品加工