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日本のヘソ
2019年10月号号の日本のヘソ
No.192池田町の能面美術館
福井は日本のドマン中「日本のヘソ福井」第192 回目は「池田町の能面美術館」の話です。池田町は福井県中央部の山間部にあり、伝統芸能の能楽、それに伴う能面芸術の文化を受け継いできた町です。平成7 年に能面美術館が建設され、100 を超える能面を展示し、また隣接して古民家(能面研修館)では、能面作りと後進の指導が行われています。
室町時代の猿楽師世阿弥が「面の事、越前には石王兵衛、龍右衛門、夜叉、文蔵、小牛、徳若」(「申楽談儀」)と記したように、福井は多くの能面師を輩出しました。豊臣秀吉が「天下一」の称号を与えた出目是閑(でめぜかん)が祖となる大野出目家、また越前出目家という世襲面打ち家発祥の地でもあります。
古い能面の保存だけでなく、毎年能面の新作公募展が開かれ、今年も200 面以上が集結し、翁(おきな)、若い女性の小面(こおもて)、鬼神などの力作が並びました。能面師が打った面は、幽玄の美を感じさせてくれますので、是非実物を見て下さい。