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日本のヘソ

号の日本のヘソ

No.136株式会社福井洋傘

 「ぬれんざ」は、「濡れないですよ」の意味の福井の方言です。
この「ぬれんざ」の名称を持つ傘を開発した会社が、福井にある株式会社福井洋傘です。
この傘の特長は、水をはじき水滴がスパッと切れる点です。
例えば、雨の降る日の満員電車で自分や他人の濡れた傘でズボンなどが汚れたり、濡れたりすることがありますが、この傘では、その心配はありません。
これは、傘の表面をコーティングしたのではなく、細かく織った柔らかい生地が、水ギレを良くしています。
このような素材の傘では、縫製もしっかりさせなければならないので、着物を織る職人の技術が必要で、福井県の地場産業の集大成とも言えるものです。
価格は、一本34,500円と高価ですが、注文が殺到し3ヶ月待ちの状況です。

 その他の代表的な商品に「蛇の目洋傘」があります。
この傘も、お客様の声から生まれました。
福井県では、「蛇の目傘」が嫁入り道具として使われます。
「普通に雨が降っている日にも使いたい」という要望がありましたが、蛇の目傘は紙でできているため、使い捨てのようになっています。
それを現代の技術を使い、雨にも使えるように作ったところ、お客様にたいへん喜ばれる商品になっています。

 もう一つの特長は、傘に雨が当たるときの「音」です。
傘は、本来雨音を楽しむものだと言われています。
いい形ならば、いい音が出る傘ができます。

 福井洋傘の「蛇の目洋傘」は、文章では表現できないほど素晴らしい音がします。
まるで太鼓をたたくような「ポン、ポン、ポン」といった音です。

 福井洋傘の橋本社長は「一生壊れない傘、一生汚れない傘」を作ること、そんな理想の傘を目標に「ものづくり」に挑戦しています。

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