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日本のヘソ

令和7年春号の日本のヘソ

No.213コウノトリ米

 福井は日本のドマン中「日本のヘソ福井」第213回目は「コウノトリ米」の話です。
 福井県越前市では、無農薬・無化学肥料で生物多様性に配慮した「コウノトリ呼び戻す農法」により栽培された「コウノトリ米」が生産されています。この農法は、コウノトリが生息できる環境を目指し、農薬や化学肥料を使用しないことで、小魚やカエル、ドジョウなどの生物が生息できる水田環境を作り出しています。
 越前市西部の白山・坂口地区は、アベサンショウウオが生息する里地・里山として知られ、2009年には「にほんの里100選」に選ばれました。
 コウノトリは20世紀に絶滅の危機に瀕し、1956年に特別天然記念物に指定されました。越前市では、過去に数回コウノトリが飛来し、その度に全国的な話題となりました。特に1970年、旧武生市黒川町に飛来した「コウちゃん」は、下くちばしが折れて採餌が難しい状態でしたが、地元の白山小学校の児童などが世話をし、その姿が人々の記憶に残っています。
 これらの背景から、越前市ではコウノトリを再び地域に呼び戻すことを目指し、環境に優しい農法による稲作が推進されています。この取り組みにより生産された「コウノトリ米」は、地域の特産品として注目を集めています。

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